障害のある子どものプリスクールへ視察に行ってきました。
2016.12.14
11月下旬、米軍厚木基地内にある小学校に併設された、障害のある子どものためのプリスクール(Preschool Service for Children with Disabilities(PSCD) Shirley Lanham Elementary School)へ視察に行ってきました。
プリスクールとは、日本でいえば幼稚園の年少、年中にあたります。アメリカでは、発達に遅れがある子どもを早期からサポートするプリスクールが小学校に併設されています。
ひとりひとりに合った特別なプログラムでサポートし、小学校ではなるべく他の子どもたちと同じクラスで学べるように、低年齢のうちから支え、準備していきます。
フローレンスでも日本で初めて障害のある子どもを長時間預かる障害児のための保育園「ヘレン」や、重度の障害がある子どもを自宅で保育する障害児訪問保育アニーを展開していますが、赤ちゃん縁組の活動でも特別なケアが必要な子どもに携わることがあるでしょう。
多様な個性を持った子どもたちを支えていくために活かしたいという思いで、フローレンスの複数の事業部のスタッフで見学させてもらいました。
今回見学した障害児のためのプリスクール(以下PSCD)では2才~5才までの子どもが過ごしています。
施設内はとってもアットホームな雰囲気で、少人数制です。児童5人に対し、保育士が3人。
子どもの発達にしっかりと寄り添うためにこの人数配置で行っているそうです。
保育士のみなさん、子どもに丁寧に関わっているのが印象的で、子どもたちはとてもリラックスして過ごしていました。
▼室内の様子:子どもの発達を促すためのさまざまな工夫がなされていました。
こちらは子どもたちの椅子。サイズはひとりひとりの身体にピッタリと合わせられています。
足が床にしっかりついた状態で座位を取ることは身体の発達を促す上でとても大切だからだそうです。
これは子どもたちが見通しを立てる訓練に使う教材です。
たとえばこの写真では、まず室内で過ごして、そのあとで外に行く、という時間軸の見通しを持つ訓練をしています。
PSCDでは保育士のほかに障害児の発達支援のスペシャリスト(障がい児教育専門の理学療法士、言語聴覚士)が配置され、子どもひとりひとりの発達や個性に応じたサポートプログラムを作成しています。
ここに通うようになってから、子どもたちは表情がとても豊かになったり、できることや言葉が増えたり、大人も驚くほどの成長を見せるそうです。
障害のある子どもの成長・子育てをサポートする社会的な仕組みが整っていることで、
親の心理的な負担や、「障害がある」ということの捉え方も、随分と違ってくるように思います。
今回は、養子縁組支援団体のアクロスジャパンさんを通じて養子縁組をしたダウン症のお子さんがこのPSCDに通っているというご縁もあり、見学する機会をいただきました。
この機会を作ってくださった、PSCD Shirley Lanham Elementary School の皆さん、アクロスジャパンの小川さんに感謝します。本当にありがとうございました!
フローレンスの赤ちゃん縁組でも、マッチングして「終わり」ではなく、子どもの成長を親御さんと一緒にに見守っていきたいです。
スタッフ一同、これからも活動を通じて、いろいろな背景を持った子どもたちと親御さんの子育てに伴走していけるよう、常に学びながら現場で実践していきます。