フォーラム開催のご報告<祝!特別養子縁組あっせん法成立>

2017.03.04

お知らせ

2月24日、特別養子縁組あっせん法成立に尽力してくださった国会議員の方々をお呼びしてパネルディスカッションを行う、特別養子縁組フォーラムを開催しました。

80名を超える来場者が見守る中、議員や厚労省の方々によって活発な議論が繰り広げられ、
法律施行までの流れや、法律の内容で重要なポイントについて話し合われました。

 

IMG_6019

 

IMG_6065

ここで皆さんにその内容の一部をご紹介します。

 

【法律成立後の流れについて】

昨年12月に「特別養子縁組あっせん法」が成立しました。

成立してから2年以内に施行という流れであるため、2018年12月までに施行となります。
よって、周知等の期間を考えると、2017年中に政省令が作られます。
法律というのは大枠の骨組み部分だけなので、政省令でより詳細な決まりごとや命令を規定していく必要があり、今後その部分を詰めていく作業が待ち受けています。

今フォーラムの冒頭で野田聖子議員から「超党派議連をつくる」と宣言がありました。
ですので、政省令を作る時の一般的な方法:「厚労省が審議会等を組成し、そこに有識者等を呼んで検討していく」の形にはならず、「厚労省が案をつくって、議連会合でその進捗をチェックしていく」ことになる見込みです。


【許可された事業者への補助金について】

現在は、我々のような妊娠相談や特別養子縁組の支援を行っている事業者に対して、国や自治体からの補助や支援は1円もありません。
よって民間の事業者は、生みの親や育ての親に丁寧なカウンセリングや様々なサポートを行うための費用は
持ち出しで運営するしかなく、支援が広がっていかない現状があります。

しかしながら、今回の法律には我々の念願であった「事業者への補助」についても規定されました。
この点に関して、フォーラムでは議員と厚労省の方々共に問題意識を持っていることが述べられ、
政省令に基づき、適切に予算として盛り込んでいくという発言がなされ、明るい展望が開けました。

 

【大阪の不正事業者は排除を明言】

現在、インターネットの掲示板で育ての親を募集し、生みの親にもカウンセリングをせずにマッチングを行っている事業者があります。
その事業者は「産んでくれたら最大200万円相当の援助」がありますなどとHP上に載せており、
行政指導が8回近く行われているにも関わらず業務停止や逮捕などには至っていません。

このように、必要なソーシャルワークを一切行わなかったり、「産んでくれたら200万円」のような人身売買とも言えるような行為を行うことは、子どもの福祉に反しています。
法律が施行されればこうした事業者が事業の許可をされることはなく、許可なしで事業をした場合は刑事罰も与えられると厚労省と遠山議員が名言したことも、皆さんにお伝えします。


【医療との連携について】

現在産科の医院において、課題を抱えた特定妊婦のケア、特別養子縁組への理解やそのサポートについてはまだまだなされていないのが現状です。ここについては厚労省の方から通知等で理解を求めていく方向性が示されました。

また、生殖医療を行う医師から「不妊治療とセットで特別養子縁組の選択肢を医療側も提示していくべき」というご意見もあり、野田聖子議員も大いに賛同してくれました。
今後は現在分断されている、特定妊婦のケアを行う産科医院、特別養子縁組の支援を行う事業者、不妊治療を行う生殖医療とを繋いでいく必要性を強く認識する機会となりました。


【最後に】

昨年春の児童福祉法改正から、今回の特別養子縁組あっせん法の成立と、子どもを取り巻く福祉が大きく動き出そうとしています。
今フォーラムは、赤ちゃんの虐待死を防ぐ有効な手段である、「特別養子縁組あっせん法」を明るいものにするための、非常に重要かつ濃密な機会になりました。

フローレンスでは、今後も超党派議連と厚労省に対し、現場で手を動かす立場から、実態に即した提言を行なって参りたいと思います。
そして、10年後には、赤ちゃんの虐待死が過去の出来事になることを切に祈りつつ、あるべき制度づくりに貢献していきます。