【コラム】養子であることを子どもに伝える「真実告知」~出自を知る権利~

2019.12.06

お知らせ , コラム

フローレンス養子縁組事業部スタッフの市倉です。

 

子どもや周りに、その子が養子であることを伝えることを「真実告知」といいます。
今回はこの真実告知について、お伝えしていきます。

 

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●真実告知って?

真実告知とは育ての親が子どもに対して、生んでくれた人がほかにいること、生んでくれた人にはいろいろな事情があって育てることができなかったこと、 私達はあなたを育てることを心から望んで家族に迎えたという真実を伝えることです。
そして同時に「あなたは私たちにとって大事な存在」であることを伝え、子どもの生い立ちを親子で一緒に受け止めていくための行いです。

「真実告知」の必要性は、児童の権利に関する条約第7条第1項でも【児童は「できる限りその父母を知る」権利がある】としてきちんと定められています。
自分の出自を知ることは子ども自身が持っている権利なので、親がそれを奪ってはいけません。

育ての親として子どものことを一番に考え、愛情を持ってどんなことでも受け止める覚悟で迎えたのであれば、子どもが小さい頃から年齢に合わせた方法で「真実告知」を行い、その生い立ちを共に受け入れていく必要があるということです。

●隠し通した方が子どもにとっていいのでは・・

日本では、まだまだ「血縁の親子」のみが当たり前と思われていて
血のつながりがないことを「知らせないほうがよい」ことと捉えられている節があります。
「隠し通せるのではないか」「知らないほうが子どもにとって幸せなのではないか?」と思うかもしれません。しかし生涯に渡り養子であることを子ども隠し通すことは不可能です。

お腹が大きくなかったのに、ある日突然赤ちゃんを連れている夫婦を見ると近所の人も不思議に思うでしょうし、子どもが大きくなり自分で戸籍を確認したらわかってしまうことです。
親以外の他人から自分が養子であることを知らされたり、成長した後に自身が養子であることを知った子どもは、どういう気持になるでしょうか。
それまで生きてきた過ごしてきた時間が偽物のように思え大変なショックを受けたり、
隠されてきたことへの不信感から親子関係の修復に長い時間がかかるかもしれません。

このような背景から、子どもには自身の出自について小さい頃から年齢に合った真実を伝えることが大切です。「わたしは生んでくれたお母さんは別にいるけれども、この両親に望まれて子どもになった。この両親からとても愛されいて、これからもずっと親子。ここがわたしの居場所だ」と思えるよう、共にその生い立ちを受け止めていくことが育ての親の大切な役割であり、真の愛情だと言えます。

真実告知は一度行えばそれで終わりというものではなく、折に触れて日常の中で繰り返し伝えてくものです。
養子縁組の家族をテーマにした絵本も出版されていています。養子縁組家庭ではこういった絵本も活用しながら小さな頃から少しずつ真実告知をしていきます。
もちろん養子でない親子にもおすすめです。子どもたちにさまざまな家族の形があることを知ってほしいですね。

ふうこちゃんのたんじょうび
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●特別養子縁組についてもっと知りたくなった方は、
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