アクロスジャパン主催医療専門職向け研修に参加しました。

2016.12.22

お知らせ

12月11日、一般社団法人アクロスジャパン主催「第2回 特別養子縁組に関する専門職対象学習会 (フォローアップ研修)」に参加してきました。

助産師、保健師、医師といった医療専門職の方々、医療職を育成する教育機関の職員の方、弁護士の方など、専門職の立場から養子縁組を支えようという志を持った方々が全国各地から参加されていました。遠くは九州から参加された方もおられ、子どもの福祉のための養子縁組をもっと日本で実践していこうという熱気あふれる会となりました。

専門職研修_小川さん引き_w1200

 

望まない妊娠に悩む女性の支援・養子縁組の支援において、助産師をはじめとした医療職の方々のサポートはとても重要です。

妊娠後期まで一度も病院に行っていないハイリスクの妊婦さんを受け入れてくれる病院がなくては出産することができません。また、妊婦さんが養子縁組という選択肢を持つということを理解する医療者の方々がいなくては、安心して出産することもできません。
しかし現状では養子縁組の仕組みそのものがまだまだ医療機関の方々に知られていません。そのためアクロスジャパンさんでは、これまでの医療連携の経験をもとに、医療専門職向けの勉強会を実施しています。

今回の勉強会のプログラムは

・養子縁組支援団体に対する業務停止命令と、自宅分娩の妊婦さんの救急搬送のケースについての解説
・朝日新聞GLOBE記者で、著書「産まなくても、育てられます」を出版された、後藤絵里記者によるリポート
・フローレンスより活動進捗の共有
・養子縁組で子どもを迎えたご家族の体験談
・養子縁組相談に関するグループワーク

といった内容でした。

支援団体の視点、記者の中立的な目線、当事者の視点、特別養子縁組が多面的に捉えられていて、とても充実した内容でした。

私たちフローレンスからの活動報告では、4月から現在までの活動の中での成果に加えて、活動を通して見えてきたことをお話しました。
相談対応の中で「相談者が自ら答えを導き出すカウンセリング」がいかに大切かということ、育ての親候補者の研修の大切さ、それらをどのように実践してきたか。また、どのような壁にぶつかったか。
私たち自身も4月から事業を開始して、まだまだ学びと実践の過程にあります。これからこの領域の実践者となっていく方々を前に、なるべく身近に感じてもらえたらと、等身大のままお伝えできるよう心がけました。

 

専門職研修_石橋_w1200

グループワークでは、

「救急搬送された未受診妊婦で、無介助で自宅出産した人が運び込まれてきた場合」
「妊娠34週で外来で受診にやってきた、養子縁組の意向がある40代女性の場合」

といった、具体的なケース例をもとに、医療者としてどのように関わっていくか、
確認・配慮すべき点はどんなことかなどをグループで話し合いました。

助産師さんや産婦人科医の方が大半を占めていたため、医療者ならではの鋭い指摘が多く、大変実践的で濃密なディスカッションになりました。

グループワークw1200

午前中から夕方までみっちり一日の研修でしたがあっという間に時間が過ぎ、遠方から来た参加者の方々からも「ほんとうに来てよかった」という熱気冷めやらぬ声が聞かれました。

私たちもこのように全国に特別養子縁組の取り組みに関心を持ち、支援を実践したいと思っている医療者の方々がいらっしゃることに、とても励まされました。そして医療現場の方々と連携することの重要さを改めて感じる機会となりました。

フローレンスも医療機関や医療者の方々と連携することで、ひとりでも多くの赤ちゃんとお母さんを助け、安全な出産をサポートしていきたいです。

このような学びの場に参加させていただいたことに感謝しつつ、学んだことを「赤ちゃん、生みの親、育ての親、三者が幸せになることのできる特別養子縁組」に活かしていけるよう、引き続き取り組んでいきます。